新人類って
TVを観てた。
新成人を呼んでインタビューなんかをしていた。
大学生たちだった。
毎年、TVでは荒れる成人式みたいなステレオタイプのニュースを
垂れ流しているけど、この番組に出ていた成人たちは、
しっかり自分の意見を持っているように感じた。
今年の新成人はバブル崩壊の頃に生まれたのだそうだ。
親たちは新人類と呼ばれた世代だって。
そして、バブル景気を思い切り体現した世代でもある。
その親たち世代への街角インタビューが流れた。
バブル時代の思い出についてである。
学生時代にBMWの7シリーズに乗っていたとか、
ブランド物を買い漁っていたとか、
車を持たない男と付き合うなんて考えられなかったとか、
貯金なんて頭は無かったとか・・・出るわ、出るわ。
ホント、そんな時代だったのだろうか?
極端な回答だけ抽出したってのもあるんだろけど。
実はワタクシ、この方々とあまり世代は変わらない。
バブル時代も知っているし、
世の中が浮かれているような印象もあった。
しかしこの頃、ワタクシは駆け出しコーチとして修行中の身だった。
そのため。世の中がバブル真っ只中の折、超貧乏だった。
ラケットを買うのにも苦労したし、
シューズは親指がコンニチハするまで履き潰し、
ソックスには穴が開いていた。
試合に行くにも、交通費だけでカツカツ。
会場での食事もオニギリ1個とか、そんな思い出しかない。
知り合いから20万円で譲ってもらった車も
ガソリンを満タンに入れたことは無かった。
まあ、それでも好きなテニスで頑張れるってことが嬉しかったし、
それなりに思いも持っていたので、ツライってことは無かった。
しかし、現実にはまったく景気の良い思いをしていないので、
インタビューを聞いても、違う世界の人にしか思えないのだ。
そういえばその頃、BIG Tomorrowなる雑誌を読んでいたら、
ページ全面に、ある外資系ビール販社の求人が載っていた。
「営業車はボルボ! 携帯電話支給!
オシャレに仕事をしませんか!?」
携帯がまだ弁当箱くらい大きかった時代である。
ボルボの横で携帯を持った営業マンの写真が載っていた。
世の中にはそんないい仕事があるのか。
オレ、テニスしてて大丈夫か・・・?
正直、そう思ったのを強烈に覚えている。
まあ、どうするのが良かったのかは誰にも分からないが。
とにかく、バブルの世代ながら、バブルを知らないワタクシである。
で、偶然なのだが、最近買ったCD。
映画 「波の数だけ抱きしめて」のサウンドトラック。
なんでだったか、ネットでこの映画の話題を観て、
ビデオがあったことを思い出して、数年振りに観てみた。
作中で使われている楽曲は当時散々聞いたもの。
懐かしくてCDを購入した。
ちなみにこの映画、DVDにはなっていない。
使用されている洋楽がデジタル化の契約をしていないとか。
内容は思い切りバブルだ。
大学生たちが湘南でローカルFMを開局なんて話は、
まさにその頃のトレンド(古っ)そのものだ。
流すのもレコードだし、ジャケットから出して、
スプレーを吹きかけて、ブラシで拭くなんてのも懐かしい。
別所哲也は軽いし、中山美穂は真っ黒だ。
ただ、織田裕二は今と全然変わらない。
どんな役をやっても織田裕二だ。(苦笑)
本当にチャラい時代だったっていうか、
海とか、サーフィンとか、音楽とか、車とか、
若者の面白さや価値観のベクトルがひとつだった
時代なんだなって気がした。