メンタルトレーニング
オリンピックと高校野球でスポーツ三昧の毎日である。
高校野球を観ていて思うのだが、
昔とは大きく違うのは、選手の表情である。
昔の選手たちの表情には、悲壮感みたいなものが
漂っていたが、今の選手たちは表情が明るい。
今は、ピンチの場面でも明るい表情の選手が多い。
この傾向、数年前から感じていた。
個人的には、親や地元や学校などの
大きな期待が重くのしかかっていた昔とは、
時代が違ってきているのかと思っていた。
今の子達はそういうプレッシャーが無いのかもしれないと。
ところが、あるところで、こんな話を聞いた。
今、甲子園に出てくるような強豪校のほとんどが
メンタルトレーニングを取り入れているのだそうだ。
専門の先生についてもらって、試合中のあらゆる場面で
どんなメンタルであるべきかをトレーニングするのだそうだ。
ピンチになっても、緊張しない、悪いほうに考えない、
ポジティブな笑顔を絶やさないのは、そのためなんだとか。
確かに、テニスにおいても、メンタルトレーニングは非常に重要である。
ワタクシ自身も、かつては試合への気合や緊張が
うまくコントロール出来ない時期もあったが、
緊張を受け入れ、冷静にテンションを高めるという
メンタルトレーニングの手法を知って、随分と助けられた。
確か、Drジム・レーヤー氏が、日本にメンタルトレーニングを
初めて紹介したときのことである。
20年ほど前だったと思う。
そう考えれば、高校野球でメンタルトレーニングが
取り入れられるのも、ごく自然なことだろう。
フォアボールやエラーでランナーを出してしまった。
「あ、マズイ」ではなく、「ゲッツーのランナーが出た。ダブルプレーだ」
と考えられるようにトレーニングする。
3秒で、マイナスイメージをプラスイメージに切り替えるよう
何度もトレーニングするのだそうだ。
それは、選手や監督のゼスチャーに見ることが出来る。
ピンチの場面、ひとりが人差し指を高く揚げる。
それに続いて、みんなも人差し指を掲げる。
それは、ポジティブイメージへの切り替えのサインだ。
選手たちは、人差し指を揚げることをきっかけに
頭を切り替えるのだそうだ。
こぶしで胸を叩いたら、「みんながついてるぞ」の意味。
これで、ピッチャーは迷いなく投球できる。
この話を聞いて、選手たちの表情の理由に納得した。
気合や根性で選手を追い込まない。
その辺が昔とは違うような気がした。
そんなことを考えながらのTV観戦も面白い。