SRIXON X2.0 TOUR インプレ!
USオープン、復帰したばかりのクリスターズが決勝に。
優勝の可能性も高そうだ。
スゴイなぁ。
しかし、準決勝は後味の悪い結末だった。
TVの映像だと角度によく分からないが、
ワタクシにはフットフォルトに見えるけど。
フットフォルトもビデオ判定は出来ないのだろうか?
ラケットを叩きつけて、すでに警告を取られていたから、
かなりのストレスが溜まっていたのだろうが、
なんにしてもあの態度というか暴言はマズイ。
自らのキャリアに傷をつけてしまったと思う。
さて、インプレ。
ダンロップスポーツが新たなブランドを立ち上げた。
新たなブランドといっても、ゴルフではお馴染みのSRIXONだ。
聞くところによると、DUNLOPというブランドは様々な縛りがあって、
日本での展開以外、あまり自由に活動が出来ないらしい。
そこで、日本独自のブランドで展開を図ろうというのが
今回のSRIXONブランドの狙いである。
すでに日本人選手の使用ラケットもダンロップから
SRIXONへの移行がはじまった。
ダンロップの顔、鈴木貴男プロの新たな相棒がこのラケットだ。
SRIXON X2,0 TOUR
■フェイスサイズ: 98平方インチ
■ウェイト: 320g
■ラケット長: 27インチ
■フレーム厚: 19-20mm
■バランス: 305mm
■ストリングパターン 16×19
■価格: 35,650円(税込)
ゴルフ界ではすでに一大ブランドのSRIXON。
テニスブランドとしてもSRIスポーツが総力を挙げて開発。
まずは3機種がリリースされた。
その中でもTOURの名を冠したこのモデル、当然ながらヤワじゃない。
メーカーからのリリースによると、
「コアシェルテクノロジーにより驚異の粘りと食いつきを実現」
とある。
TOURの名の通り、自分から振っていくラケットのようだ。
ダンロップのダイアクラスターシリーズの流れを継いでいるので、
パッと見は、同じフレームに見えるが、実はそうではない。
SRIXON専用に、モールド(金型)も一から開発されている。
比べてみれば分かると思うが、スロート部などは
ダイアクラスターよりも狭く絞られているのだ。
欲を言えば、カラーリングもまったく違ったイメージが
良かったと思うのだが、どうなのだろう?
フレームもワタクシの好きな質実剛健のボックス形状。
ビームもほぼフラットだ。
いかにも戦闘力がありそうなフォルムである。
さて、打ってみた。
320gのウエイトは、正直しんどいという方が多いだろう。
たしかに、かなり重めの設定だ。
ただ、ツアー系のバランスなので、スペックほどの持ち重りは無い。
打球感は謳い文句どおり。
粘るし、喰いつく。
つまり、楽にパコーン!とは飛ばないってことだ。
芯の詰まった打球感がそのまま腕に伝わる。
一瞬、しっかりくわえ込んだ後、ボールが打ち出される。
「ショットに自分の意思を込めろ!」と言わんばかりに
ボールの感触をプレーヤーに伝えてくれる。
感触の増幅も引き算も無い。
そのまま、「お前はどう打ちたいのだ?」と言われているようだ。
TOURだからそれは当たり前なのだが、楽ではない。
しかし、その粘り感は確実に自分の意思を反映させられる。
いや、反映させられなければ、その人には使えないってことだ。
一番感触の良かったのは、バックハンドのスライスショット。
短いスイングで「チッ!」と当てても、ボールは伸びないが、
大きなスイングアークでしっかり送り出してあげると、
低く滑るような軌道を描いて、相手コート深くボールが伸びる。
まさに「これぞスライス!」っていうボールだ。
スピンはフェイス全体でグワシとボールを回す感じ。
ストリング2~3本で引っ掛けようとしても、
あまりスピンが掛からないし、ボールは失速する。
しっかりスイングして、フェイス全体でボールを潰しながら
スピンを掛けるイメージだ。
このX2,0TOUR、男子プロ選手の使用でも分かるとおり、
今回発表された中ではいちばんハードなモデル。
つまり、SRIXONのフラッグシップたるモデル。
正直なところ楽なラケットではない。
また、ツアー系でも球離れの良いモデルが増えてきた昨今では
ある意味異質な打球感かもしれない。
ただそれだけに、「粘り」と「食いつき」が好きな人には
他では代用出来ない、たまらないラケットだと思う。
残念ながら、女性にはおすすめ出来ない。
しっかり振れる男性向きだ。
ウエイトさえクリアすれば、ウッドラケットの感触を知っている
ベテランプレーヤーにも嬉しい1本かもしれない。