フットフォルトなど
今年最後のグランドスラムも終わってしまった。
5日も前の話だけど。
女子SFのセレナのフットフォルト事件(事件てほどでもないが)は、
色々と意見が分かれるところだろう。
「あの場面でフットフォルトを取るのはどうなのか?」という意見もあるだろう。
確かに、サービスキープすればタイブレークに突入という
第12ゲームの15-30は、非常に重要な局面ではある。
しかし、局面によってルールの適用が揺らぐようでは
もはや公正な競技ではないし、基本的には
厳格にコールされて然るべきだろうと思う。
「本当にフットフォルトしていたのか?」という話は、
フットフォルトをジャッジするためにラインパーソンがいるわけだから、
いちばん正しく観ているだろうし、間違いは無いのだろう。
彼女(ラインパーソン)は、正しく自分の仕事をしたのだと思う。
選手も自分がフットフォルトをしたかどうかは分からないだろうし、
観客にしてもあの展開において、セレナがフットフォルトするかどうかを
意識下において観ているとは思えない。
つまり論点は、「あんな場面で・・・」という話なのかなと思うわけ。
繰り返しになるが、ワタクシはルール適用に
ブレがあってはいけないと思っている。
たとえそれが相手にマッチポイントを握られた
セカンドサービスでもだ。
審判の役割として「円滑な試合進行」という側面があるとしても、
それは「厳格にルールを適用したうえで円滑に進行する」ということ。
だから、あのラインパーソンが「試合をぶち壊した」ことにはならないと思う。
しかし、思う。
ワタクシが同じ立場だったら、彼女と同じように
フットフォルトをとれるだろうか?
正直、自信は無い。
たから、ワタクシにはラインパーソンの資格はない。
それ以前に審判資格も持っていないが。
いずれにしても、試合が終わってしまったのは、
セレナがフットフォルトをしたからではなく、
審判への暴言というアンスポーツマン的な行為への
コードバイオレーションを取られたからだ。
それが試合中2度目だったので、ポイントペナルティを取られて
自動的に試合が終わっただけ。
感情的になるのも分かるが、暴言が無ければ試合も終わらず、
まだ可能性はゼロにはならなかったのにと思うと、残念でもある。
さて、そのフットフォルトについて。
このルール違反、実は非常に多いように思う。
一般プレーヤー、コーチを問わず、本当にたくさん見かける。
(プロなど、試合に審判がつくような人たちにはさすがに無いが)
セルフジャッジだと、打っている本人は自分の足元は見えないし、
コートの向こう側の対戦相手もサーバーの足元は見ていないので、
それをジャッジする状況に無いからだと思う。
練習においても、「フットフォルトしてるか、見てくれる?」
なんてことはまず無いだろうし、かなりノーケアなところだろう。
お恥ずかしいだが、Ken’sのコーチたちの練習や
試合を観ていても、フットフォルトは少なくない。
外の試合に積極的に参加しているコーチでも
ほとんどのサービスでフットフォルトをしていたりする。
当たり前の話だが、これはルール違反である。
ネットしたフォルトとアウトしたフォルトと何ら変わらない。
同じフォルトに過ぎない。
「ちょっとのフットフォルトくらい」という屁理屈は通用しない。
AllstarClassicというKen’sのイベント。
選手への注意事項には、レギュレーションに加え、
「フットフォルトは厳禁」との一文が入っている。
当日のミーティングでも、「フットフォルトに注意ね。やってたらとるよ!」
と、選手たちに必ず釘をさす。
たくさんの皆さんがコーチたちの試合を観に来てくださる前で、
テニスを伝えるべきコーチが平気でルール違反をしていては
話にならないからだ。
しつこいようだが、フットフォルトも「フォルト」なのだ。
遠い昔、ある大きなトーナメントで、テニス界の第一人者である選手が
フットフォルトを取られ、ラインパーソンをすごい顔で睨みつけたことがあった。
それだけ集中していたからなのかもしれないし、
選手にとっての試合の流れもあったのだろうが、
フットフォルトをしていたからコールをしただけだ。
当然、ラインパーソンが、「お前、なんでフットフォルト取るんだよ!」
と言われる筋合いも無い。
フットフォルトはフットフォルト。
それ以上でも以下でもない。