殺す気かいっ!
一昨日の晩、近所の友人宅でしこたま飲んだ。
友人の誕生日だからと一升瓶を買って持っていったけど、
二人でほとんどあけてしましった。
(その前にビールも飲んでる)
マンションを出たところでコケた。
でも痛くなかった。
かなり酔っ払ってたってこと?
まあ、楽しかったからいいんだけど、琉球酒豪伝説を飲み忘れたせいか、
起きたら二日酔い気味で気持ち悪い。
汗で流し出して回復しようと、日課のトレーニングをいつもより念入りに。
ところが、体調のせいなのか思ったほど汗が出ない。
しかたがないので、いつもは入らないサウナで汗を出すことに。
これで何とかなるでしょ。
と、そこに一人のオジサンが入ってきた。
ワタクシと同じで、毎朝トレーニングにこられる方。
年齢は六十代くらいでしょうか。
白髪でダンディな感じ。
もちろん、ボディはマッチョ系です。
ワタクシ、基本的にトレーニングジムで友達をつくる気は無いので、
「話しかけないでオーラ」を発しながら、黙々とメニューをこなして帰るだけ。
しかし、このオジサンとだけは、少し会話を交わしたことがある。
サウナの中には二人だけ。
なんとなしに会話がはじまった。
オジサン(以下、オ):「会社は何時から?」
ワタクシ(以下、ワ):「9時過ぎからです。」
オ:「じゃあ、もう始まるんじゃないの?」
ワ:「いや、この3階下なので・・・」
オ:「ああ、そう。じゃあすぐだねぇ。32階なら眺めいいでしょう。
昔はこの辺は海でねぇ。よく潮干狩りとかしたもんだよ。
今の国道が海岸線でね。ほらあの辺、松林あるでしょ・・・」
以降、この辺の歴史についての話が続く。
ちょっと熱くなってきた、ワタクシ。
オ:「アナタはこっちの出身?」
ワ:「いえ、福島県です」
オ:「福島はいいところだね。米が美味い。
私は毎年、福島の農家から新米を30キロ送ってもらうんだよ。
美味い米っていうのは、そう簡単に出来るもんじゃなくてね・・・」
しばらく、米の作り方のお話を拝聴する。
かなり汗も出てきたよ。
オ:「アナタ、仕事はなに?」
ワ:「スポーツ関係というか、テニス関係で・・・」
オ:「そう!テニスって言えば、昔は慶応の石黒っていうのがプロ第一号でね。
柳なんかも体は小さいけど強かったなぁ。
あと、渡辺功とか神和住とかね。
今の日本は世界に通用する男子はいないなぁ。
女子は伊達公子以降は杉山だね。」
しばらく、世界における日本のテニスについて拝聴。
相当、汗が出てきた。
ちょっとツライ。
ワ:「テニス、お詳しいんですね」
オ:「もっと昔は加茂とか宮城とかね。
清水のころは世界でも強豪だったな」
話がさかのぼっちゃいました。
現在のテニスに完結するのはいつなんだろう?
尋常じゃない汗が・・・
オ:「アナタのところのテニスコートっていうのはどんなの?」
ワ:「インドアのスクールが多いです」
オ:「そう、室内は快適だよね。コートの表面は?」
ワ:「人工芝とかカーペットです」
オ:「ほぉ、昔はアンツーカーとかクレーとかね。
あれは整備も大変でね・・・」
コートのメンテナンスの話に膨らんじゃいました。
ワタクシ、あと30秒で返事をしなくなり、
1分後に意識が無くなるとわれます。
オジサンは熱くないのか?
身の危険を感じながらも、「死にそうなので、ここから出て話しましょう」
とも言えず、ここまでの人生のフラッシュバックが始まりかけた頃、
ようやく話が途切れた。
死にそうになりながら、「失礼します」とサウナを出るワタクシ。
「がんばんなさいよ」とオジサン。
違った意味で、かなり頑張りましたけど。
その後しばらく動くことも出来ず、眼下に東京湾を一望する
展望サロンのチェアに全裸でぐったり横たわるワタクシ。
すると、窓の上からスルスルと窓拭きのゴンドラが。
寒風吹きすさぶ中、作業中のお兄さんが苦笑いしてました。
生きてて良かった。