昔の話 その5
一応、昨日の続きを書いてみます。
参考↓
その1
その2
その3
その4
そんなわけで、落ちこぼれ具合が幸いし、
先輩の球拾い選抜からも漏れたワタクシたち。
文句もしごきも無い、独立自治国状態で
好きなだけ練習が出来ました。
誰の指導も強制も無い状態で練習するということは、
自分たちで考えるということ。
そして、自分たちの意思で頑張るということ。
つまりは、先輩や先生からの「やらされ感」が無いわけです。
先輩からの選抜には漏れた悔しさが無いと言えば嘘になるけど、
それ以上にこの放任状態は、多くのことを教えてくれたわけ。
誰も教えてくれないということは、
自分で試行錯誤しなければいけない。
当時はまだ専門誌も情報も少なかったから、
連続写真も無い、テニスマガジンの一枚の写真を
穴の開くほど眺め、スイングを想像しながら
コートで試したりという感じ。
はじめから論理立てて覚えたわけではないので、
ちょっと時間は掛かったけど、習得の過程や
出来ないもどかしさも経験することが出来たわけです。
これは、ワタクシがコーチになった時にスゴク役に立ちました。
基本的にコーチになるような人って、すんなりテニスを覚えた
スポーツセンスのあるタイプが多いので、
「出来ない気持ち」が分からない場合が多いのです。
ワタクシは、「出来ないもどかしさ」を嫌というほど
経験したので、気持ちが良く分かるのです。
これ、コーチには大事なことだと思います。
話を戻しましょう。
いくらテニスセンスの無いワタクシでも、
毎日朝から晩まで練習してテニスのことばかり考えていれば、
そりゃあ上手くもなります。
ある日、久し振りに先輩がコートにやってきた。
で、ほとんど捨て犬状態だったワタクシたちに声を掛けた。
「お前ら、マジメにやってたか?」
「ハイ!・・・なんとか」とワタクシたち。
「今日はここで練習するから、球拾いの位置につけ!」と先輩。
「ハイ!」と素直に応じ、しばらく球拾い。
しかし、いつもはキレイに整備されたコートで練習している先輩たち。
どうも手作りのボコボコのコートは、お気に召さないらしい。
しばらくすると、練習に飽きたらしく、ワタクシたちに声を掛けた。
「おい、お前たち。試合してやるから順番決めろ!」
先輩にすれば、コートも今ひとつだし、
余興のつもりだったのでしょう。
ワタクシたち落ちこぼれ組みも、
別に「ひとあわ吹かせてやろう」などと
たいそうな考えもなく、言われるがままにコートへ。
いやぁ、ホームの強さってスゴイです。
落ちこぼれの捨て犬だと思っていた連中が
それなりのプレーをしてくるものだから、
先輩たちもあせったようで、ますますプレーが乱れる。
全勝とまではいきませんでしたが、
かなり先輩たちに肉薄しました。
どうやら先輩たちも、こりゃマズイと思ったらしく、
次の日からは先輩の練習についていく一年生メンバーは
順番制になりましたとさ。
教訓
努力に勝る天才無し
以降、ワタクシの座右の銘であります。
(そんな大げさなもんじゃない)
たまに、「コーチ!私、やればやるほどヘタになるんですぅ!」
などと言う方もいますが、ワタクシの経験上、
練習するほどヘタになる人は見たことがありません。
単に自分の思い描く上達度合いとのギャップの問題だと思います。
テニスに限らずですが、間違いなく練習しただけ上手になります。
その上達度合いを高め、早めるのがコーチの役割り。
どうか皆さん、あきらめずに練習しましょう!
・・・オチが無くてゴメンナサイ。