プロの仕事
ラーメンとかカレーが大好きだ。
カレーなら、年間360回くらい食べても大丈夫。
ラーメンも、あちこち食べ歩いた。
で、思うのだが、カレーとかラーメンて、
どこの店に行っても、あまり値段の差が無い。
カレーは、たまに高い店もあるが、
ラーメンに千円以上払うことは少ない。
(チャーシュー麺を除く)
つまりは、どの店でも支払う対価は同じ。
ところが、同じ値段の食べ物なのに、
味の差は天から地ほどの幅がある。
先日、ラーメン屋が何軒も集まったところに行った。
細かく書くと、どこなのかが分かってしまうので、
名前までは書かないが、ひとつのモールに
有名(?)なラーメン屋を集めたような場所だ。
たいがい、こういうところは、地名(~ラーメン)とか、
店主の顔や名前が前面に押出してある。
「~(名前)のこだわり麺」とかね。
で、そのモールに入った。
どの店が美味しいのかまったく分からないが、
全国を歩き回って選び抜かれた店なのだろうから、
ハズレは無いだろうと、適当に入ってみた。
西のほうの地名を冠したラーメンだ。
さっそく、一番お勧めっぽいラーメンを注文。
ところが、これが正直、美味くない。
不味いとは言わないが、確実に美味しくない。
何だか、薄らボケた味である。
何より、スープがとてもヌルイ。
フウフウせずとも、食べられるくらい。
これ、ラーメンとしては、アウトじゃないだろうか。
そのせいなのか分からないが、ラーメン好きの子供も、
半分も食べずに残してしまった。
ラーメン屋を集めたモールだからといって、
全店美味しいわけじゃないのだな。
非常に損をした気分になった。
「幸○苑」みたいな大手チェーンの方が、まだ美味い。
近所の駅前にもラーメン屋が何店もある。
先日、時間が無くて、すぐに入れそうな、
駅に一番近い店に入った。
初めての店だったので、味噌ラーメンを頼んだ。
なんで、味噌かというと、塩や醤油に比べて、
大ハズレが少ないだろうと思ったからである。
ところが、これも大ハズレ。
味噌っていうより、薄く味噌色のついたお湯って感じ。
「これが標準なのかなぁ」と思いながら見ていたら、
同じラーメンなのに、それぞれ色が微妙に違う。
隣のおじさんのラーメンは、濃そうな色だ。
カウンターを見てると、かなり適当で大雑把な感じで
時間勝負みたいなつくり方だった。
そりゃ、味もバラつくだろうと思った。
あと、2分歩いて、確実に美味しい店に行けばよかった。
少しは待つかもしれないけど、値段だって変わらないし、
なによりスゴク丁寧につくってる。
しかし、不味いほうの店にもお客は入っている。
だって、駅前というよりも、ほぼ駅隣接だから。
それが商売のアヤなのか?
でも、これからは2分歩こうと思った。
海産物系の定食居酒屋みたいな店がある。
とにかく、メチャクチャ安い。
昼の定食なんて、500円でおかわりし放題だ。
入って、食券買って、かっ食らってすぐに帰れるので、
お小遣いが無い時や、時間が無い時に入る。
正直、さほど美味くない。
ただ、安くて早いから、たまに入る。
先日、A定食頼んだ。
「~魚の一夜干し定食」
魚が硬くて、ほとんど食べる場所が無かった。
昼定食用にまとめて焼いてずっと置いておいたからか?
しかし、いくら安くても、これはアウト。
食べ物としての体をなしていない。
「食べられる」という意味では、立ち食いそばのほうが
まだ100倍マシである。
ということで、商売には色んなやり方があるのだなと思った。
ラーメン屋モールに入っているってことに
あぐらをかいてはいけない。
看板よりも味が大事。
昼時、忙しくなると味が落ちたり、バラついてはいけない。
そのお客様にとっては、たった1回の食事だから。
安いに越したことは無い。
味も値段なりの覚悟をして食べるし。
でも、それにも最低ラインはある。
そこを越え続けたら、顧客はそっぽを向くはず。
便利な場所にあるに越したことは無い。
しかし、味はどうでも良いってことにはならない。
適当な流れ作業で、バラついた品質の料理を出してもいけない。
やっぱり、料理そのものに、愛情とプライドが無いと。
たかだかラーメンとか定食で何言ってんだという気もするが、
「食」は人間の根幹を成すもの。
そんな仕事に愛情とプライドを持って欲しい。
それがプロってものだと思ったりした。
もちろん、ワタクシたちのテニススクールも同じである。