懐かしロゴ
某所を歩いていたら、こんな看板が目に入った。
喫茶店の看板だ。
大手チェーン店に押されて、こういった独立系の喫茶店が
どんどん減っていると聞くが、まだ地方に行くと頑張っている
お店も少なくないようだ。
ワタクシが食いついたのは、この店名だ。
「VAN」
ある年齢以上の方なら、誰もが知っているこのロゴ。
ファッションの神様、石津謙介氏が生んだアイビーブランドだ。
VANは洋服の着こなしだけでなく、スポーツや若者文化などの
ライフスタイルまでを提案する総合ブランドだった。
アメリカンフットボールチームもあったし、VANのロゴの入った
アメリカンテイストいっぱいの工具セットまであった。
ワタクシ、小学校の時にこのVANとアイビーにかぶれ、
地元では売っていなかったVANのステッカーやシャツを
100キロも離れた仙台まで買いに行っていたほどである。
小学校4・5年の男子といえば、まだ親に買ってもらった服を
そのまま着るような時期でもあったと思うが、
周囲がベルボトムのジーンズを着ている中、
スリムジーンズをはき、ボタンダウンシャツを着たりした。
中学生になると、コットンパンツ(今で言うチノパン)をはき、
ボタンダウンシャツにレジメンタル柄のネクタイを締め、
何とか手に入れたブレザーを着たりしていた。
当然、友達からは奇異な目で見られ、
「お前、なんでお父さんのズボンはいてんの?」
なんて言われたりもした。(当たり前だ)
カバンにVANのステッカーを貼って、VANロゴの入った紙袋を
後生大事に小脇に抱えている中学生なんぞ
他にいるわけもなく、かなり変な存在だったと思う。
その後、ポパイやホットドッグプレスが若者の教科書として大ブレーク。
誰もがアイビーやプレッピー、そしてサーファー的な格好に走るという
今にして思えば、楽しくもありながら、何とも没個性な時代だった。
そんな中、「オレはこんなに流行る前からこの格好だぜ」なんて
変な意識も持ちながら、でも同じ格好だったっけ。
色々あって、VANは倒産した。
しかし今も「VAN JACKET」としてブランドは残っている。
もうVANの服はクローゼットに残っていないと思うけど、
ワタクシの思春期を思い切り侵食したブランドであるのだ。
なんてことを久しぶりに思い出した。