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ためにならないブログ テニススクールスタッフ奮戦記

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テニススクールスタッフ奮戦記

Malt
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先達窯

連れられるままに向かったその工房は、
市内を抜け、少し山に差し掛かったところにあった。

Dsc_307909

焼き物にはまったく詳しく無いのだが、磁器工房だ。
実家の仕事関係の工房らしく、一度連れてきたかったとのこと。



工房入り口
Dsc_307809
呼び鈴の代わりに、紐を引くところが味。


反対側にはギャラリー。
Dsc_308409

Dsc_306009
こじんまりとした空間に作品が並ぶ。

Dsc_305109
なんとも言えないキレイな色合い。



ご主人に工房の中を案内してもらった。

Dsc_308809
素地を練る機械。
工程途中、真空にして空気を抜くのだそう。

「HONDA」のエンブレム。
「ホンダ製なんですか?」と聞くと、
「HONDA?あ本当だ。気がつかなかった」だそうだ。(笑)

Dsc_309109
決まった型を作る機械。
「ノリタケ」製だった。



そして、窯。
Dsc_304609
これは大きなほうの窯。
2.5のプロパンガスを使用している。


小さなほうの窯。
Dsc_309909
なんとこの窯、ご主人の自作だそうだ。
構造的にも非常に効率良く出来ているらしく、
当時これをつくったのは日本初だとか。

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内側はレンガではなく、セラミックファイバーだそう。
火と熱のまわり方について、しばしレクチャーを受けた。
ご主人、かなりの知識人とお見受けした。



ろくろ座。
Dsc_3111



Dsc_311209_2
座って顔を上げると、キレイな景色が広がる。


Dsc_305009
工程を待つ器たち。
微かな青みは新たな色出しの実験中だとか。



さて、この「先達」という名、裏の先達山から採れる石(?)を
使っていることに由来するらしい。

Dsc_3063
これがその石だそうだ。


工房のご主人
Dsc_311809
非常にユニークというか、面白い方だった。

もともとはサラリーマンとして、ある企業で研究の仕事をしていた。
40歳の時、お父様の仕事である鉱石採掘業を立て直そうと
退職してこの地に入ったが、折からの鉱山不況で再建を断念。
そこから採れる石に目をつけ、磁器工房を始めたとか。


最初はまったくの素人、轆轤(ろくろ)もまともに引けなかったらしい。

ある晩、夢を見たのだそうだ。
夢でひらめいたのは、1ミクロンの前後の大きさである粘土の
結晶の向きを揃えれば上手く形になるのではないかと言うこと。
その方法を試してみたら、見事に轆轤がひけたらしい。

後で知ったのだが、やり方そのものは轆轤の基本的な方法だったとか。
しかし、それを力学的な発想から導き出すのは普通じゃないと思う。
さすが研究者だっただけのことはある。
窯を自作してしまったり、熱の回り方に詳しいのもそれ故であるのだろう。


話は、夢での閃という脳科学から、アインシュタインや、
ダークマター理論まで尽きることが無い。
驚くほどの知識だが、話そのものは難しいどころか非常に面白い。
楽しき難しい話が出来るのは、そのお人柄もあるのだろう。

そんないっぷう変わった主人の先達窯工房はみちのくにある。

投稿者 Malt 04:51 | コメント(0) | トラックバック(0)